
経験工学による現場理論
「高温成形法」
射出成形の工程分析
射出成形機で、プラスチック製品が金型よりはじきだされるまでの全工程は、射出成形機のノズル(湯口)より金型の中に射出された樹脂が、スプルー(本道)、ランナー(支道)、ゲートを通過し、製品部である雄雌で構成された空間に注入される。流体を固体に変える冷却時間を経て、エジェクタービンにてはじきだされる。各工程が占める時間の割合は、射出20%、冷却65%、型開き-押し出し-型締め15%である。この中で、65%を占める冷却時間をいかにして短縮、削減するかが、コストダウンに重要な役割を果たすことはまちがいない。
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冷却成形法から高温成形法へ
従来の成形方法である冷却成形法の主要因は、製品肉厚の3倍から4倍の肉厚で構成されているスプルーにあると思われる。成形サイクルの65%を占める冷却時間は、射出成形品を冷却するのではなく、その3、4倍のスプルーを冷却するためにあるのが実情である。スプルーの削減が総てのコストダウンへの起点であり原点である。スプルーの微細化により樹脂流動の問題は残るが、高温成形法に推移させることにより解決できる。
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スプルー加工の現状
金型製作におけるスプルー加工は、勾配2度、テーパー4度の半月形状か、スパイラル形状のスプルーリーマ(市販スプルーリーマ)で加工するのが一般的であり、その加工方法、工具とも非現実的である。金型の製作者が、与えられた工具、機械で製作している現在の環境は、現代のニーズであるスプルーの微細化に対応できず、旧態依然のままの極太スプルー、ランナー加工しているのが現状である。
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スプルーリーマの開発
新興セルビックが開発した、スプルー微細化対応のスプルーリーマは、従来品勾配角度2度に対し0.5度の最小勾配である。先端部に球面加工ができるように刃をつけることにより、サイドゲートタイプ、ピンゲートタイプのメインスプルー加工だけでなく、ピンゲートの第2スプルー加工も可能にした。0.5度スプルーリーマで加工することにより、
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- 高温成形法への転換
- 冷却時間の短縮
- スプルー容量の削減
- 金型加工時間の短縮
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Sprue Reaming Cutter (PAT.)
コストダウン
スプルーの最小径が射出成形機のノズル口径で定められてしまうので、ノズル口径の設定がコストダウンに重要な意味を持つ。図2 (a)は、一般的なノズル口径3mmを使用した時のスプルーランナーを示し、図2 (b)は、ノズル口径2mmを使用した場合のスプルーランナーを示している。ノズル口径の設定だけで、樹脂容量の33%が削減され、冷却時間の約40%が短縮される。0.5度のスプルーリーマで加工されたスプルー、ランナーを図2 (c)に示す。図2 (d)は、ユニット金型コマンドシステムC、ユニットを使用したスプルー、ランナーが示されている。図2 (a) - (d)を比較することにより、樹脂容量の格差は一目瞭然であり、冷却時間においても比例する。スプルーの微細化への極限は、製品肉厚まで論じられるべきである。
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高温成形法(金型温度60-80度)
冷却された金型の中に力で樹脂を送り込む冷却成形法は、力対力関係だけの成形方法の感をまぬかれない。充填不足の場合などは、スプルーランナーをさらに太く加工しての成形が一般的であるが、多くのスプルーに空洞をみることがある。この空洞が何を物語るか検討すべきであると同時に、冷却成形法には限界を感じることがある。一方、逆発想の高温成形法は、スプルー冷却が弊害となり論じられることがなかったが、微細化対応のスプルーリーマが開発された今、大いに論じられるべきであろう。
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- 1. 高温成形法の効果
a) 流動損失の削減
b) 樹脂ストレスの軽減
c) 転写効果の向上
d) 材料密度の均等化
e) ウエルドラインの減少
f) 樹脂特性の維持
g) 金型寿命の保持
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- 2. 高温成形法への留意点
a) スプルーランナーの微細化
b) 離型不良対策の確立
c) 熱源の確保
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2. のa)は、5度スプルーリーマで対応し、2. のb)は、金型製作時に抜け勾配を設計することにより簡単に解決できる。2. のc)においては汚れの少ないヒーターが望ましい。
スプルーの微細化対応がなされたユニット金型が、逆発想の高温成形法により、その効果を高めて行くと確信している。
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